30年遅れの映画日誌。三年目。 映画を観るためには映画館に出かけるしかなかった時代に。
ロジャー・コーマン『血まみれギャングママ』Bloody
Mama
1981年9月4日深夜 自宅
吹き替え版のCMつきという悪条件にもめげず、収穫であった。
シェリー・ウィンタースは『陽のあたる場所』といい『狩人の夜』といい、気の毒な殺され役のイメージが強かったけれど、機関銃を撃ちまくるオニババに大変身。四人の息子をギャングに育て上げた中年太りの貫禄は感動モンだ。人間バケルものですな。
長男役のブルース・ダーンも良かったが、なんといっても末弟役のロバート・デニーロである。クスリ漬けでハイになってチャップリン・ウォークを見せるところなんか泣かせるね。まだ無名だったスターがコーマン・プロの低予算映画で魅せる、溌剌たる「勇姿」に大満足。
しかし映画館に行ってない期間が何ヶ月になったのかな……。
81年の5月までは快調に本数を消化していた。ところが、後半から翌年にかけて執筆スケジュールがタイトになった結果、惨憺たるアベレージに転落したんである。