30年遅れの映画日誌。映画を観るためには映画館に出かけるしかなかった時代の話。
1983年6月27日月曜 雨
若松孝二『餌食』
恵比寿 エビス地球座
観そこねていた作品をようやく。79年の製作だ。
若松映画は『13人連続暴行魔』で70年代の頂点をつくった。これには曲馬館の役者が大挙して(?)出演している。
その後に、続編というふれこみの『残忍連続強姦魔』、『餌食』、梅川事件をもとにした『現代性犯罪 暴行監禁』とつづいて、どれも観逃していた。
『餌食』はレゲエをバックに使ったクライム・アクション。シャブ漬けにされた恋人への復讐というヤクザ映画パターンのわかりやすさ。
これがブルースになっているのは、裕也の個性だろう。
ロックをやらしたらあんなにヘボの(たんに下手というレベルですらない)ロックンローラーがバケてしまった。
最後の、ビル屋上からバンバンと歩行者天国の通行人を撃ち殺すシーンがいい。
といって予算に相応して大迫力とはいかなかったけれど。