ガープによれば世界とは

30年遅れの映画日誌。映画を観るためには映画館に出かけるしかなかった時代の話。

 1984年1月24日火曜 曇り
 ジョージ・ロイ・ヒル『ガープの世界』

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 新宿

 The world according to Garp
 ガープによれば世界とは、要するにこんなふうに出来てるもんさって話。

 これはジョン・アーヴィングの小説では最もポピュラーなもの。
 『トリストラム・シャンディ』の現代版。じつに面白い読み物だ。
 それ以上のものじゃないっていえばそうなんだけど。
 もちろん映画とは別世界なのだが、違和感のにない映画化に成功した作り手の手腕を讃えるべきだろう。

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 しかしまあ。ロビン・ウィリアムスやグレン・クローズには申しわけない。
 これはジョン・リスゴーのための映画です。性転換した元フットボール選手役。ごついガタイにまるで似合わない女装姿の怪演快演。
 『ガープの世界』のバカっぽさのエッセンスを集約して一身に体現しきっているではないか。

 以降、リスゴーの役柄は、サイコ男、卑劣漢、臆病者、イビツな悪漢など、だいたい固定してしまったが、観るたびに『ガープ』を思い出し笑えて笑えて仕方がないのであった。

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