『ドッグヴィル』『ヴィレッジ』『暗黒館の殺人』 2004年10月10日
『ドッグヴィル』『ヴィレッジ』『暗黒館の殺人』をめぐっての三題噺みたいなことを考えている。
参考に『ドッグヴィルの告白』を観てみたが、たんなるメイキングフィルムで面白くなかった。
ストレス漬けになった俳優やスタッフの告白を観せられたって役に立たない。
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参考に『ドッグヴィルの告白』を観てみたが、たんなるメイキングフィルムで面白くなかった。
ストレス漬けになった俳優やスタッフの告白を観せられたって役に立たない。
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トリアー、シャマラン、綾辻。
いずれも外界からほぼ完璧に隔絶された共同体の「崩壊」をめぐるエキセントリックな寓話だ。
作者の個性はさまざまだが、とくに寓意など作品にもちこみたくないという点では共通している。
つまり彼らは期せずして、自らの構想以上に、大きく深い世界をつくってしまったわけだ。
その理由も(共通して)ふるっている。たんに鬼面人を驚かせる結末を用意したいという子供っぽい遊び心に発する。
そのため、出来上がったものは寓話になった。
人を驚かせたいといってもそれぞれ動機はちがう。
トリアーの場合は、エンディングを気にかけたのではなく(むしろエンディング欠落のほうが彼には似合っているから)、あまりに奇妙偏屈な作品すぎて結末に爆発が起こったということかもしれない。
シャマランは選択の余地なく、観客が彼に期待するどんでん返しのお約束に応えた。
この点は綾辻も似たようなもので、ルールにしたがった追いつめ方だ。
というわけで、結果的に、共同体にたいする深刻な問題提起を含む作品が偶然に並ぶことになった。その様態をたどっていけば面白いだろう。
と、今日は予告編のみ。