トッド・ソロンズ『おわらない物語』を観てきたぞ 2005年02月24日
渋谷 東芝試写室
14歳の少女を8人の女優が演じる。
そのうちジェニファー・ジェイソン・リーなど二人は明らかに成人。
髪の色も容貌も体型も、肌の色までみんな異なる。
映画ならではの語り口が嬉しい。
数年前のヒロイン役をやったエマニ・スレッジ(6歳らしい)がいちばんカワユかった(ロリコン的反応か)。
ベロをちょろっと出して喋る仕草がブラックのペコちゃんのようだ。
話は、このアビバが沢山タクサン子供を産みたいと宣言するところから始まる。
それを聞いたママ役のエレン・バーキンが「おお、私のベイビー、愛してるわ愛してるわ愛してるわ」と、あのクチビルの端っこがエロっぽくひんまがる微笑をもって抱きしめるんだな。
ここまで観て、おおホラーじゃと焦っちまった次第。
ご安心を。ホラーではなく愛の遍歴物語だ。
普通なら少女の成長にしたがって何人かの役者が演じる。
ところがこの映画は一種の循環ストーリーだ。女優は8人。
年齢も指定が14歳となっているだけで、成長したりしなかったり。エピソードが変わるごとに「違う女」になる。
遍歴とは元にもどるという意味でもあり、教訓はあまりない。
話はかなり悪ふざけにグロイところもあるから、真面目に受け取ると損をする。
ジョン・ウォーターズが褒めたのも当然だ。同類なんだろう。
家出したアビバが障害児ばかりのサンシャインホームの世話になるパーツが突出している。
障害児たちのゴスペル・グループのセッション・シーンは最高だ。トッド・ブラウニングの『フリークス』にも匹敵する。
けれどこれも終着駅ではない。ぐるぐる回って後戻りする遍歴だ。
いかにもシネマライズ・ロードショーっぽい。
余計なことを一つ。
ジェニファー・ジェイソン・リーは、ガンツケの目つきが親父ヴィック・モローにますますそっくりだ。
なつかしの『コンバット』!