ニック・カサヴェテス『アルファ・ドッグ』

ニック・カサヴェテス脚本・監督の『アルファ・ドッグ』は、なかなかの掘り出し物だった。
 ★★★★
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 地味すぎて「未公開・レンタル専用」は仕方ないか。
 若手俳優ばかりの群像ドラマっぽいし、ブルース・ウィリスもシャロン・ストーンも客演気味の脇役だし。
 ハリー・ディーン・スタントンのジジイ役は良かったが。
 チンピラ同士の抗争で、まったく関わりのない少年がおよそ無意味に殺される。
 すべての人物がその破局に向かって、それぞれ一役かっているようにドラマが追いつめられていく。
 みなが信じられないような破局に協力し合う。
 悲劇というしかない結末への運びは見事な構成力。
 やはり、これは、カサヴェテスの血筋(ジョン・カサヴェテスとジーナ・ローランズの息子だから)なのだろう。
 と、思うことにする。
 『アメリカン・グラフティ』を、今つくれば、こういう作品になるだろう。
 その意味で、じつに真っ当な青春映画なのだ。
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