ジョージ・A・ロメロ『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』

2008.09.01  アンデッドの日記
 ジョージ・A・ロメロの新作『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』をさるサイトから落として、鑑賞する。
 公開三ヶ月前なのに、ファイルがわんさか溢れているので驚いた。
 まあ、それはそれ。
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 なんていうか。
 『ゾンビ』DC版(アルジェント版ではない)に濃厚だったファミリー・ムーヴィー風のトーンが前面に出ているのに戸惑った。
 絶滅ワールドにあって数少ない生存者たちが、ファミリーとしてのかけがえのない日常を精いっぱいに生きる。
 それをベタッと愚直に記録する視点だ。
 人類がデッドに駆逐される破滅の日々をビデオカメラに収録しようとするグループが主人公。
 これは「ゾンビ映画についての」ゾンビ映画なのだ。困りましたな。
 ブレアウィッチ調のカメラワークは、もうカンベンしてほしかった。
 写す者が写され、画面は無限循環のように映像者=観客に投げ返されるエンドレスな袋小路の趣向だ。
 複雑な感慨に……。
 部分的には、素晴らしいショットがいくつもある。
 酸を浴びせられたゾンビのスキンヘッドがぶすぶすと溶けていくところ。
 また、吊るされて標的ゲームの的にされたゾンビが、大口径の銃弾に顔面の上部だけを残して寸断されるラスト。
 それらは、大まか特殊メイク効果によるもの。
 映像の進化はあっても、映像思想の深化はない。
 つまり、これは、ロメロ to ロメロのセルフ・オマージュ作品なんだな。
 しかし、なんだかんだいっても、世紀をまたいで本家ロメロの新作が二作もリリースされてくるのは素晴らしいことだ。
凡百のエピゴーネンども、ひざまずけ。
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