ラース・フォン・トリアー『キングダム』

『北米探偵小説論』注釈 映画を探して15  2004.06.01の日誌より
 ……この何ともおかしな世界に接していると、思い出されるのは、ラース・フォン・トリアーの映画だ。全編セピア色のヴェールをかけた『エレメント・オブ・クライム』や、モノクロ主体のフィルムにパート・カラーで異化効果を狙った『ヨーロッパ』も忘れがたいが、最高傑作はテレビ向けシリーズの『キングダム』だ。ある総合病院を舞台にして、さまざまなエピソード群を積み重ねていく奇妙な世界。『ツイン・ピークス』のかぎりない無意味さと『ER』や『Xファイル』に使われそうな素材のナマっぽい展開と。
 これ以上退屈な映画はゴダールしかあるまいと思わせながら、なぜか観ずにはいられない。危険な中毒性を持ったシリーズだった。
 大病院の地下(だったと思う)のだれも知らないシェルターのような部屋で、都市伝説みたいな話題でぺちゃくちゃ盛り上がっている男の子と女の子のエピソードとか、生まれた時から顔だけ大人で一ヶ月くらいのうちにどんどん成長して病室に収まらなくなってしまう赤ん坊(怪優ウド・キアが演ずる)の話とか……。
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