2023.04.03 『ブレット・トレイン』 2022 BULLET TRAIN
人気作家・伊坂幸太郎のベストセラー『マリアビートル』を「アトミック・ブロンド」「デッドプール2」のデヴィッド・リーチ監督、「マネーボール」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のブラッド・ピット主演で映画化したクライム・アクション・エンタテインメント。ーーallcinema.onlineより
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2023.04.02 『ボイリング・ポイント/沸騰』 2021 BOILING POINT
客でにぎわうロンドンの高級レストランを舞台に、次々とトラブルに見舞われるオーナーシェフと従業員たちの沸騰寸前の人間模様を、驚異の90分ワンカットで描き出したアンサンブル・ドラマ。監督は俳優出身で、これが長編監督2作目のフィリップ・バランティーニ。ーーallcinema.onlineより
満席の高級レストラン。俳優の誰一人、そこで料理をさばいていくコックには見えない。表情や動作の一つひとつ、芝居の「やってるふり」で嘘くさい。客の注文がどんどん入ってくるのに、オープン・カウンターでずっと牡蠣の殻ばかり剥いてる見習いコックとか、仕込み用の鍋なんかの洗浄にかかりきってる洗い場係なんて、どこの店にいるんだ。
ドラマてんこ盛りのミニシアター芝居。
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2023.03.27 『ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実』 2019 THE LAST FULL MEASURE
ベトナム戦争における実在の英雄ウィリアム・H・ピッツェンバーガーの知られざる真実の物語を描いた社会派ドラマ。名誉勲章候補の調査を担当するペンタゴンのエリート職員を主人公に、ピッツェンバーガーが30年以上ものあいだ叙勲を拒まれ続けてきた驚きの真相へと迫る調査の行方と、ベトナム戦争当時のピッツェンバーガーの犠牲的な活躍を並行して描き出す。主演はセバスチャン・スタン、共演にクリストファー・プラマー、ウィリアム・ハート、エド・ハリス、サミュエル・L・ジャクソン、ピーター・フォンダ。監督は「ファントム/開戦前夜」のトッド・ロビンソン。ーーallcinema.onlineより
フォンダはこれが遺作になった。ハートも最後の作品に近い。他に、ジョン・サヴェージ、エイミー・マディガン。ヴェトナム「後遺症」ものではお馴染みの配役。事件の鍵を握る上院議員にデイル・ダイ。海兵隊出身で、グスタフ・ハスフォードの『フルメタル・ジャケット』にも、大きな影を落としている人物。『プラトーン』にも出演し、同映画のノベライゼーション(二見文庫に邦訳あり)も書いている。
この顔ぶれ、話の内容はともかく、ヴェトナム戦争映画の「総決算」との印象すら与える。ともかく、80年代の『プラトーン』の後日譚ともいえる作品だ。『プラトーン』は、救助ヘリコプターに置き去りにされる兵士を物語のラストにすえた。『ラスト・フル・メジャー』は、逆に、ヘリコプターから地上に降りて戦士した兵士の「名誉回復」をめぐる物語だ。30年たっても癒えない心傷と戦場の悪夢ーー。
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2023.03.26 レニー・ハーリン 『5デイズ』 2011 5 DAYS OF WAR
世界中が北京オリンピックの開幕に沸く2008年8月、グルジア領内にある南オセチアの帰属を巡ってグルジア軍とロシア軍が衝突、5日間にわたって激しい戦闘が繰り広げられた。本作は、この“5日間戦争”と呼ばれる戦火の最前線で決死の取材を続ける戦場ジャーナリストの姿を、グルジア軍の全面協力による迫真の戦闘シーンとともに描き出す。ーーallcinema.onlineより
戦争にあって第一に損傷されるのは「真実」なり。ーーこの言葉を冒頭に置いて映画ははじまる。
ロシア侵攻の尖兵となるオセチア軍傭兵vs真実の報道に命を賭ける戦場カメラマン。
いかにもアメリカ映画スタイルの戦争映画だ。
市民虐殺を撮影したデータを奪うために、傭兵の隊長は人質をとって交換をもちかける。その場所がスターリンの像の立つ広場。西部劇そのままのような対決が、意味深長な場面となる。
北京オリンピックの会場から「戦争」の正当性を訴えるプーチン。プーチンだけは、この劇映画におけるリアル映像として、例外的に登場してくる。西側視点のこの非対称性は、興味ある問題ではないか、と。
ロシアはこの作品への「反論」として、翌年『オーガストウォーズ』 を製作した。
ロシア側からの「真実」を映画化したわけだ。
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