『北米探偵小説論』注釈 映画を探して02(2003.01.16の日誌より)
笠原和夫、深作欣二が相次ぐようにして逝った。笠原脚本なら『博奕打ち・いのち札』、深作監督作品なら『博徒外人部隊』がベスト。最も愛惜にあたいする。
それで気がついた。『博徒外人部隊』はきわめて屈折した深作版『ワイルドバンチ』だったのではないかと。ラストの殴り込みが四人vs数百人というデスペレートな闘いであるところも帳尻が合っている。ウィリアム・ホールデン、アーネスト・ボーグナインと兄弟役のベン・ジョンソン、ウォーレン・オーツ――鶴田浩二、安藤昇に加えていつもは悪役定番の室田日出男、小池朝雄(沖縄の現地やくざの兄弟役の若山富三郎、今井健二は途中で退場してしまう)。メキシコに流れていったアウトロウと、日本復帰直前の沖縄にシマ荒らしに乗りこんでいった本土やくざという設定も近似だった。
死者の列。