『リプハーゲン: オランダ史上最悪の戦犯』

2021.03.31 『リプハーゲン: オランダ史上最悪の戦犯』2016
 実録をもとにしたコラボレーション(対独協力)の暗部を描くオランダ映画。
 偶然かどうか、続けて観ることになった。
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 『正義のレジスタンス』は、抵抗派に資金を提供した銀行家の話だが、目的はともかく、その手段がオランダ国家の体面上かんばしくない、ということであまり日の目をみなかった題材のようだった。
 こちらは、ナチスもレジスタンス派もコミュニストも手玉にとって、ユダヤ人狩りで甘い汁を吸った[卑劣漢]の話。
 ナチスという[絶対権力]とユダヤ人という[絶対被害者]の間に立って、他者の弱みを最大限に利用する。甘言と暴力を使い分け、[敵のなかの味方]を装って、追いつめられるユダヤ人から宝石貴金属を詐取する手管には驚かされるばかりだ。
 国外逃亡を果たし、自然死を遂げたという。
 この種の秘話は、オランダにかぎらず、ベルギー、フランスにも沢山あったと思えるが、ここまで[映画向き]の悪辣な悪党はいなかったろう。
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