30年遅れの映画日誌。映画を観るためには映画館に出かけるしかなかった時代の話。
1984年7月4日水曜 晴れ
ジャック・ベッケル『モンパルナスの灯』
駿河台 アテネ・フランセ文化センター
何度となく開催されているジェラール・フィリップ映画祭の一つ。
6月には『赤と黒』を観た。
畏れ多くもこれが初めての鑑賞だった。
ジェラさまは遺作『危険な関係』を子供のころ、他人に隠れて観た関係から、不幸にしてあまりいい印象がなかったわけである。
こういうのをLES LIAISONS DANGEREUSESというのか。
遺作の一つ前の主演作『熱狂はエルパオに達す』も、ブニュエル映画祭で3月に観ているのだけれど、いっこうに「達さなかった」次第。
で、やっと代表作といえるものにめぐりあえた。当たり役モジリアニに圧倒され、これまでの不明を恥じた。
売り出し前のリノ・ヴァンチュラの悪役ぶりに接することができたのも光栄であった。