30年遅れの映画日誌。映画を観るためには映画館に出かけるしかなかった時代の話。
1985年10月24日木曜 雨
ヴィム・ヴェンダース『ハメット』
銀座 試写
裏話のほうが本編よりもずっと面白いという因果なフィルムがあるとすれば、これなど代表格かな。
フランシス・コッポラ製作、
ヴィム・ヴェンダース監督、
ジョー・ゴアズ原作、
ロス・トーマス脚本最終稿。
主人公はダシール・ハメット。と名前を並べただけでも……。
『地獄の黙示録』と併行して、規模においてはともかく質においては、それと勝るとも劣らない愚行の数かず。
そのレポートは『ミステリマガジン』の1985年1月号に。
アメリカ映画ばかり観て育ったヨーロッパ人作家とアメリカン・ハードボイルドのミスマッチ、というのか。
いや、でもしかし。
どうしても嫌いにはなれない作品だった。