ボギー&バコール『キー・ラーゴ』

30年遅れの映画日誌。映画を観るためには映画館に出かけるしかなかった時代の話。

 1985年12月31日火曜 晴れ
 ジョン・ヒューストン『キー・ラーゴ』
 吉祥寺 バウスシアター
 ハンフリー・ボガート ローレン・バコール エドワード・G・ロビンソン ライオネル・バリモア
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 これで1985年もおしまいだ。
 大晦日でもあったし。

十一時ごろ、電話が鳴った。
ボギーからだった。
彼は少し飲んでいて、どこか外から、わたしがどうしているかとちょっと電話をかけてきたのだった。
彼は私をスリムと呼び、わたしは彼をスティーヴと呼んだ――映画のなかの呼び名のままに。
わたしたちはお互いに冗談を言い合った。
それから、ついに彼が「おやすみ」を言い、またセットでと言って切った。
それだけだったが。
が、そのとき以来、わたしたちの関係は一変した。


  ローレン・バコール『私一人』 1944年の章

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