ユルマズ・ギュネイ『エレジー』

30年遅れの映画日誌。映画を観るためには映画館に出かけるしかなかった時代の話。

 1985年4月2日火曜 晴れ
 ユルマズ・ギュネイ『エレジー』
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 渋谷 ユーロスペース
 『エレジー』をギュネイの最高傑作とするのは異論が出るかもしれない。
 だが最高に好きなのは、やはりコレ。
 トルコ製西部劇なんだが、ギュネイの本流とされる社会抗議のテーマが、よりダイナミックに提出されていると思う。
 日本の任侠映画とまっすぐにつながる。高倉健や鶴田浩二的な哀しみを背負った盗賊団の首領。
 その役においてこそギュネイというアクション・スターの本質が輝いて見える。
 そして山岳地帯の大自然のなかで俯瞰されるクライマックス。銃撃戦をくりひろげる憲兵隊と盗賊たちのはるか上方でぱらぱらと落石が始まる。やがてそれは巨大な岩の落下となって、下方に位置する男たち蹂躙する。あらゆる人間の愚行が豆粒のようにちっぽけに映る。
 圧倒的なスペクタクルだ。
 併映は『獄中のギュネイ』
 獄中のギュネイにインタビューを試みたドキュメンタリー。
 ドイツ人左翼の取材者にたいして不信感を隠さず、ごく公式的な回答に終始するギュネイの頑なな表情が印象的だ。
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http://atb66.blog.so-net.ne.jp/2014-12-04

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