2024.05.02 『死刑台のメロディ』 1971
SACCO E VANZETTI SACCO AND VONZETTI
イタリア / フランス
監督:ジュリアーノ・モンタルド
1920年代に起きた<アメリカ史の汚点>サッコ=ヴァンゼッティ事件を映画化。イタリア移民の労働問題が叫ばれていたボストン。靴屋のニコラ・サッコ(リカルド・クッチョーラ)と魚行商人のバルトロメオ・ヴァンゼッティ(ジャン・マリア・ヴォロンテ)は密告により逮捕された。だが逮捕の理由は拳銃を携帯していたからではなく、製靴会社の現金強盗殺人犯としてであった。二人はまったく身に覚えがないにも関わらず、次々と提示される証言や証拠は彼らが犯人である事を指し示していた。やがて裁判が開かれ二人には有罪の判決が下される……。人種偏見と思想差別が渦巻く当時の世相の中、スケープゴートとして闇に葬られる二人の男の姿を力強く描き出した傑作で、人間の尊厳を訴えかけるヴォロンテ、クッチョーラ(カンヌ主演男優賞受賞)共に熱演。E・モリコーネの哀切に満ちたメロディと、ジョーン・バエズの唄う主題歌も素晴らしい。ーーallcinema.onlineより