『日の果て』

2025.03.29 『日の果て』 1954


原作 梅崎春生
監督 山本薩夫
脚本 斎藤良輔 八木保太郎
出演 鶴田浩二 島崎雪子 岡田英次 木村功 殿山泰司 加藤嘉
 


 原作小説が、コッポラ『地獄の黙示録』を介して、コンラッド『闇の奥』に結びつく「観念小説」であるという観点は、『北米探偵小説論21』の739-743Pに記した。
 映画版は、宇治中尉(鶴田浩二)が花田軍医(岡田英次)の隠れ家を訪れてから、場面や科白を大幅に補足するなどして、日本軍崩壊の実態や兵士たちの望郷と反戦の想いをメッセージとして前面に押しだしている。宇治が病気に倒れ、花田の治療を受けるという原作にはない設定をつくり、二人の対立と動揺とをじっくりと描きだしている。
 最後には、鶴田も脱走の決意を固め「おれはニッポンに帰るぞ」と明るい表情を見せるのだが。

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