ルキノ・ヴィスコンティ『郵便配達は二度ベルを鳴らす』

30年遅れの映画日誌。 映画を観るためには映画館に出かけるしかなかった時代に。

 1979年8月20日
 ルキノ・ヴィスコンティ『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
 テアトル新宿

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 『イノセント』との二本立て。
 原題は「オブセッション」。J・M・ケインとヴィスコンテイがどうぶつかるのか。この機会を逃してはもう観られないとの妄執(?)に背中を押されて、無理を重ねて出かけたのだが……。

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 ひたすら重かった。どうも。
 ここには『ベニスに死す』や『異邦人』のヴィスコンティではなく、ネオリアリスモのヴィスコンティがいたわけで。
 犯罪は引き合わない? もしくは、罪を免れるチャンスは一度きり?

 前日、横浜寿町夏祭りで野外テントの曲馬館芝居公演。出し物は大南北の『四谷怪談』のダイジェスト。その準備もあって八月に観た映画は、この一回二本のみ。
 まだ頭も身体も芝居のほうにあらかた残っていたんだろう。

 七月は、それでも四回十本だった。『もっとしなやかに もっとしたたかに』など。

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